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大手小売向け自動発注システムの構築

大手小売向け自動発注システムの構築

汎用AIを使って自動発注システムを構築。稼働後のAI学習支援を含めた運用・保守を請け負っています。

数百店舗向けAI自動発注システムの構築に参画

大手小売X社のスーパーマーケットでは、AI技術を用いた先進的な自動発注システムを導入しています。商品の在庫数や売行きなどに、気象予測や地域のイベント日程、検索トレンドなどの情報も加味して、AIが店舗・商品ごとの需要を予測。それにしたがって発注数が算出されます(図)。発注業務を行う担当者の負担を軽減し、現場の生産性アップを図る取り組みです。

キューブシステムは大手システムインテグレータ の要請により、2017年後半より同システムの構築に当たりました。X社の基幹系システムの保守に長年携わってきた実績を評価されての起用です。

2018年にはシステムの試験運用が一部店舗にてスタート。導入店舗は段階的に拡大され、現在は全店舗で正式運用されています。そのうち計数百店舗での運用・保守業務も、キューブシステムの役割となっています。

低コストな汎用AIの能力を引き出すデータ連携部

システムの中核で需要予測を行うAIエンジンは、専用に開発されたものではありません。汎用的なAIソリューションサービスを利用することで、データアナリストなどの専門家による構築支援を必要とせず、スピーディかつ低コストな開発を実現できました。

同じ理由で、AIはX社の業務データを直接読み込めるようには設計されていません。そのうえ、運用歴が長いX社の基幹系システムはいわゆる“レガシーシステム”。そこから得られるデータは扱いにくい形式のものでした。

その点を解決するのがデータ連携部です。基幹系システムから届く商品データと、サードパーティから届く気象予測データなどを、特徴量セット(学習用の数値群)へと変換。AIへと流し込みます。

ETLツールでの開発の先駆者に

データ連携部と、そのインターフェースの開発に使用したのは、データの加工編集に使われるETL(抽出/変換/ロード)ツールです。

直感的に理解できるUIを備えたETLツールでの開発は、慣れれば効率的に開発を行えます。Java等の一般的な開発言語を用いたコーディングと比較して劇的に開発スピードを上げられるため、最近注目を集めています。とはいえ、キューブシステムが初めて触れた2017年当時は、まだドキュメントが未整備で、国内ユーザーも数少なく、日本語情報はほとんどありませんでした。もちろんお客様も初めて扱うETLツールです。そんななか、参画メンバー同士で情報を共有しながら、手探りで使用方法をマスターしていきました。

現在のシステム開発において、AI活用のみならず、大量のデータを加工する必要性は高まるばかり。それを効率的に可能とするローコードのETLツール開発のノウハウは、今後さまざまなプロジェクトへの応用が期待できます。

お客様に寄り添った保守工程の請負

汎用のAIエンジンは、システム構築時に読み込んだデータだけでは、精度の高い需要予測を行えません。実際、2018年に試験運用が開始されて以降、しばらくは導入店舗からのクレームが相次ぎました。ですが、AIは日々学習し、予測モデルを磨き上げています。

AIが割り出した需要予測は、まず発注数を自動算出する機能へ送られます。そこで商品ごとの特性に応じた処理などが施され、結果が各店舗へ送られます。店舗では、届いた発注数に担当者が経験にもとづく修正を加え、最終発注数が決められます。

本システムを導入した店舗へのヒアリングや、保守工程で生じる問合せに対応する中で、システム化できるものは都度取り込みます。お客様の小売りの現場と日々歩調を合わせてシステムもメンテナンスすることで、予測精度と共にシステムそのものも進化します。

当社ではお客様に寄り添った保守工程を全面的に担っています。

現場担当者の声

お客様とともに新技術を学びながら進めてきたプロジェクトです。運用フェーズでの新機能開発では、お客様と一緒にエンドユーザー様とディスカッションし、要件定義を行っています。機能を改修して実装するまでの流れも、ほぼお任せいただいています。信頼の証と考えております。

当社において、我々現場メンバーの役割は、先端技術とエンドユーザー様の業務、両方へバランス良く向き合っていくこと。本プロジェクトではそれを実現できました。ETLツールでの開発、AIの学習支援など、重要な知見を日々獲得しています。当社が多方面で進める取り組みと合わせれば、さまざまな展開が可能になるはずです。先端技術分野での存在感をますます高められるよう、今後も新技術をキャッチアップし続けてまいります。

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