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流通小売業向け基幹系システムの構築

流通小売業向け基幹系システムの構築

PMOとしてお客様の進捗管理をサポートしながら、大規模WEBシステムの基幹を構築しました。

巨大情報システムの基幹構築に要件定義から参画

国内200店舗弱を有する大手流通小売X社の巨大情報システム。その中核には基幹システムのほか、情報分析やマスタ管理などの主要システムが存在し、それらを無数の周辺システムが取り囲んでいます。また、同社の多岐にわたる業務を効率化するとともに、将来の事業拡大に伴う店舗数激増にも対応できるよう設計されているのも特徴です。

2016年6月にスタートした同情報システムの新規構築プロジェクトは、有名システムインテグレータが複数参画する大事業となりました。キューブシステムはそのうち1社に提案を重ねて受注に成功。基幹システム部分の構築を、要件定義段階から担当しました。

基幹システムが管理するのは、全店舗から届く仕入れ・発注・在庫・会計情報など。実装が必要な機能は約2,000を数えます 。そのため、キューブシステムのほか、お客様のパートナー企業複数社が共同で構築に当たりました。

開発完了までに要した期間は約2年半。キューブシステムのチーム規模がもっとも膨れ上がったのは、連結テストが行われた数か月でした。その間は、プロパー約50名に自社パートナー企業、オフショア企業を加えた約200名で開発に臨みました。

お客様のメインベンダとしてプロジェクトを推進

本プロジェクトでキューブシステムが果たした貢献は、担当領域の開発だけではありません。基幹システムの開発へ参画した数社を取りまとめ、お客様のマネジメントを支援するPMO(Project Management Office)の役割を担ったのです。

PMOとしてもっとも注力したのは、プロジェクトに関わる情報の定量化です。各社から寄せられる報告をもとに、進捗や検証・障害件数などすべてを数値で見える化。それらを一覧できる紙の「シンブン」を、1日2回の朝夕、各チームリーダーへ配布し続けました。これによって、多種多様の人員でごった返す開発現場においても、確実に進捗情報を共有。次々と持ち上がる問題へ、足並みを揃えて即座に対応できる体制を構築しました。

また、お客様に対しては、毎週欠かさず状況確認会を実施。時間をかけて要望をヒアリングし、密なコミュニケーションを徹底しました。さらには、お客様のすぐそばで開発を続けるために幾度も常駐拠点を移すなど、顧客第一主義を貫くキューブシステムらしさが発揮された柔軟な対応もプロジェクト成功の鍵となりました。

オフショア企業の管理体制も万全

自社担当領域での開発では、オフショア企業の活用が大きな助けとなりました。委託先は中国企業だったため、事前に現地へ赴いて要求仕様を細かく説明。社内に中国人メンバーも抱えるメリットを活かし、母国語で開発指示を出すなど工夫を重ねました。結果、オフショア先の人たちが期待を上回る活躍を見せてくれるなど、オフショア活用を得意とするキューブシステムの強みも実証されました。

SPA構造により非同期処理を実現

基幹システムはAWS上で動作するWEBアプリケーション。設計にはSPA(Single Page Application)と呼ばれる構造を採用しています。これは、エンドユーザー様の強い要請によるもの。

X社の業務では、冷凍倉庫内での棚卸しなど、オフライン環境でもシステム操作を求められる機会があります。SPAで設計されたシステムなら、オフラインでも入力データを保持し、端末が回線へ接続された後で一気に処理できます。

ところが、お客様、キューブシステム、オフショア企業と、いずれもSPAを使った複雑なシステム構築はほぼ初めてでした。現場で試行錯誤を繰り返す難しい開発となりましたが、他社の協力も得ながら着実に前進。SPAの完全実装を成し遂げました。

未知のフレームワークにも即座に対応

もうひとつの技術的なハードルは、お客様が独自開発したフレームワークを使用した点です。同フレームワークが完成したのは、ちょうどプロジェクトの開始直前。当然、開発メンバーの誰にも知識がありません。納期設定を考えると、十分な教育期間を確保することも望めない状況。それでも、わずかな空き時間を利用して勉強会を開き、短期間で必要な知識を習得しました。

現在もシステム保守を継続中

実はプロジェクトの開始当初、規模などの要因から、お客様は納期内での完遂を不安視していました。ですが、基本設計段階で生じた予定の遅れは計画見直しで大きく挽回。致命的な遅れやトラブルもなく、2018年11月、基幹システムを正式稼働させることができました。メインベンダとしてお客様の信頼に応えたキューブシステムは、その後も現場に残り、同システムの保守作業を続けています。

現場担当者の声

徹底的な定量情報の見える化により、課題やリスクをいち早く見つけ、早急に解決したことにより、 高い品質を実現できました。部門や企業の垣根を超え、確かな協力関係を築けたからこその成功だと思います。

本プロジェクトで得られたものは、お客様からの絶大な信頼以外にも数知れません。たとえば、開発PMOとして行った「シンブン」などの取り組みは、すでに当社の別プロジェクトへも受け継がれています。もちろん、途中で計画見直しを迫られた点など、成長課題も見つかりました。

今は保守作業に当たりながら、企業としての力を蓄えている段階ですが、今後想定されるDX関連事業などの先進的な取り組みに向けて、一層努力してまいります。

  • 第1ソリューション事業本部
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