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損害調査システムの構築

損害調査システムの構築

中国での開発作業を弊社がマネジメントする体制で、大規模システムの保守・開発作業を続けております。

困難な保守作業の現場で、お客様の信頼を獲得

保険業界団体Xでは、自動車事故に関する調査データを、専用のシステムで処理しています。このシステムによって後遺障害の程度などが認定され、損害保険の補償額も決められます。 

キューブシステムは大手システムインテグレーターの依頼を受け、2010年に同システムの開発プロジェクトへ参画しました。現場はエンドユーザー様であるX内。システムの新規構築を行った複数社が引き続き保守に当たるなか、担当領域は当初、重要なサブシステムのみでした。

事故に遭われた方々の一生を左右しかねないシステムとあって、求められる品質レベルは厳しいものに。キューブシステムが実績を重ね、お客様の信頼を得る一方、新規構築に参画した他社は続々とプロジェクトを離れていきました。気が付くと現場に残ったのは、キューブシステムのほかにわずか1社。システム全体を2社のみで保守することとなったのです。

グローバル展開で培った経験値を活かし、オフショア企業と連携

残ったもう1社は、中国・上海に拠点を置くオフショア企業。新規構築時から開発に参加していたため、開発力とシステムに関する知識については確かなものがあります。しかし、言語や距離の壁でうまく連携ができなければ、それを活かすことはできません。

そこで、キューブシステムの強みが存分に発揮されました。当社はオフショア活用経験が豊富なうえ、上海やベトナムに自社拠点を持つので、海外人材の扱いに長けています。そんな当社が国内にいるお客様・エンドユーザー様と上海との架け橋になることで、保守作業は円滑に進行。2015年には、プロジェクトへの貢献をお客様に表彰いただく結果にもつながりました。

オフショア開発を完全マネジメントする新体制へ

新体制では、お客様とキューブシステムが直列で接続され、それまで並列で保守を行っていたオフショア企業がキューブシステムの下につくオフショア協業体制に移行。「お客様―キューブシステム―オフショア」という形になりました。

これによって、お客様はオフショア管理の負担から解放されました。キューブシステムにとっては、システムインテグレーター的な立場でオフショアを動かす初めての取り組み。貴重なノウハウを獲得できるチャンスとなりました。

約160画面の刷新を含む大規模リプレイス対応に挑戦

新体制下でまず必要となったのは、オフショアの分担だった全領域を漏れなく把握すること。キューブシステムのメンバーがお客様とともに訪中し、綿密な調査を行いました。

そのうえで迎えた2018年のリプレイス対応。キューブシステムの約20名が、概要設計から連結テストまでの全工程で、オフショア側の最大60名をマネジメントしました。作業の重大目標はふたつ。ひとつは、広範に及ぶバージョンアップの影響を徹底確認すること。もうひとつは、エンドユーザー様が触れるインターフェース・デザインの全面刷新です。

同システムで使われる画面は、合計約160画面にも及びます。そのうち共通化できる部分を見極めながら、お客様とエンドユーザー様にデモを提示。ヒアリングを重ねて使い勝手を追求しながら、開発に使用したBiz/Browserの機能限界ギリギリまで美観にもこだわり、デザインを固めていきました。

コロナ禍でも揺るがないオフショア協業体制

リプレイス対応作業は2020年に完了。新体制は初の難関を無事クリアできました。それから現在に至るまで、オフショア協業体制は継続されています。

2020年に入ってのコロナ禍では、2社間の物理的距離が業務の障害となる懸念もありました。しかし、リプレイス対応を乗り越えてますます強固となった2社の関係は揺るがず、小規模リリースを毎月コンスタントに続けるペースを維持。品質を担保しながら納期を延ばさない基本を守り続けています。

現場担当者の声

本プロジェクトのポイントは、なんと言っても「オフショア協業体制」。オフショアを使ったシステムインテグレーター型開発として、弊社初の開発モデルといえます。すでに現時点で、日常的に行われるエンハンス業務なら、完璧なパフォーマンスをお見せできると自負しています。

とはいえ、リプレイス対応のような大規模開発では、まだ成長の余地があるでしょう。たとえば、進捗や品質の管理をオフショア側にどこまで任せるかの判断ですね。そこをひとつでも間違えると、全部が振り出しに戻されかねない。模索を続け、オフショアマネジメント能力に磨きをかけていきます。

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