徹底したカスタマイズでお客様の要望に応えながら、SaaSシステムの運用・保守を続けております。
大手商社X社では、オラクルクラウドを活用して人事システムを構築しています。社員それぞれの目標設定や評価などに使われており、現在、キューブシステムは同システム全体の運用・保守作業を行っています。
同システムの中核は、オラクル社のSaaS(クラウド上で動作するソフトウェア)製品である「HCM(Oracle Human Capital Management)」をベースに構築されています。それに加え、複雑な人事システムに対応するため、PaaS(クラウドにおけるアプリケーション・プラットフォーム)で作成した環境にスクラッチ開発した画面機能を追加しています。
システム構築の際には、オラクル協業(※TOPIX参照)の一環として、キューブシステムからPaaS環境に対する画面開発を実施。約1年の開発期間を通じて大きな貢献を果たしました。この開発が運用・保守業務を受注するきっかけとなりました。
キューブシステムは1995年より、データベース関連製品で世界的に有名なオラクル社との協業を進めてまいりました。同社製品の国内企業への導入を20年以上にわたり提案・支援してきたことで、社内には膨大な知見とノウハウが蓄積されています。
キューブシステムの積極的な貢献はオラクル社からも高い評価を受け、2013年にはスペシャライゼーション認定を取得して上位パートナーに。2019年には、PaaS/IaaSおよびSaaS分野、エンジニアド・システム(同社製品で構成された統合マシン)構築分野での貢献から「Oracle Excellence Award 2019」を受賞しています。
システムの全体像は図の通りです。HCMと、キューブシステムが開発に携わったPaaS部分とで構成されており、周辺システムとデータ連携して動作します。
完成したシステムの運用・保守についても、システム構築時の開発能力を買っていただき、当社にて実施することとなりました。優秀な開発者を多数擁しており、構築段階から同システムに携わってきたアドバンテージもありました。
X社様の「人事システム全体の運用・保守を任せたい」という強い要望を受け、開発を実施したPaaSだけでなく、システムの中核であるSaaS製品、さらには連携サーバのインフラも含めたトータルサポートを実施することとなりました。
構築に関わっていないSaaS製品機能に対しても当然対応していく必要がありましたが、業務に必要な製品知識などを短時間で吸収する能力は、キューブシステムの大きな強みでもあります。契約前にHCMについての知識をメンバーが共有する社内研修などを徹底したうえで、運用保守業務を開始し、システムの安定稼働に貢献しています。
X社様のシステムは複雑な人事システムに対応するため、SaaS製品に対して様々なカスタマイズを行っています。オラクル社のSaaS製品は四半期ごとにアップデートされることで、機能拡張が行われていきます。それがSaaS製品としてのメリットであると同時に、アップデートされることで、カスタマイズを行った機能への影響が発生するというデメリットもあります。
このデメリットに対して、事前のアップデート影響を確認し、影響箇所に対して対応を実施することで、お客様への影響を最低限することが可能です。弊社ではこの対応を短時間で的確に実施しております。こうすることで、機能アップデートが随時実施されるSaaS製品のメリットを活用しながら、安定的に製品を利用するできる環境を整えることが可能となっています。
今後も製品アップデートに対応していくことで、機能拡張によるシステムの利便性向上と安定稼働の両立を図っていきます。
保守面では対応を迫られるエラーが幅広く発生します。特にSaaS製品はどうしてもブラックボックス部分があるためカスタマイズ対応も簡単ではありません。難しい部分もありますが、それが挑戦しがいのあるプロジェクトでもあります。対応開始からメンバーの努力の甲斐あり、大きな障害なく対応を行うことができています。また、現在の担当領域は人事システムだけですが、今後はお客様の他システムへも拡大していければと思っています。
本プロジェクトではHCMの保守・運用を通じて、SaaS製品全般へ応用できる貴重な知見を積み重ねています。それを新しい武器として、さまざまなSaaS製品の導入サポートや保守・運用サービスへとつなげていきたいと考えています。
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