教育事業会社向け管理システムの構築 国内とベトナムで並行して開発することにより、短納期で高品質なシステム構築の提供を実現しております。

高校生向けウェブ学習ツールの「生徒用サブシステム」を開発

X社は通信教育などを手がける国内大手の教育事業会社です。昨今、教育のデジタル化が一段と進んでいますが、X社では同社サービスの会員が参加するテストの答案や成績を管理し、大学合格までを一貫してサポートする、高校生向けウェブ学習ツールの構築に着手しました。このツールは、高校生、教師、学校に対し、大学受験に向けたPDCAサイクルの運用基盤となるもので、生徒の目標や志望校の設定、テスト結果の管理、答案の閲覧などの機能を備えています。

キューブシステムは、大手システムインテグレータ経由で、第1次開発となるウェブ学習ツールのサブシステムの中から、「生徒用」の開発を受託。基本設計から総合テストまでを担当しました。2012年9月から2013年3月までかけて開発を行い、2013年の春にサービスインしています。

突然の画面デザイン変更という事態を乗り越え、短納期を実現

このプロジェクトの最大のポイントとなったのが、納期厳守です。2013年の春にシステムリリースを予定していることを考えると、開発の遅延は絶対に許されません。また、X社の求める品質は標準よりも細かく厳しいもので、納期優先で品質は二の次というやり方も不可能です。

キューブシステムへ声がかかったのは、2012年8月になってからのことでした。そこで担当者は夏休み返上で見積書を作成し受注。9月には早くも基本設計をスタートさせています。なお、X社とシステムインテグレータの話し合いの結果、開発言語はJava、DBはMYSQL、フレームワークはStruts2とiBATISの採用が決まりました。

設計フェーズでは、高校生向けということで、わかりやすさ、親しみやすさを念頭に置いてユーザーインターフェースを構築。また、画面のデザインも、パソコン用とスマートフォン用の2パターンを作成した結果、画面数は全体で約60枚とかなりのボリュームになっています。

ところが、基本設計が7割ほど進んだ段階でピンチが訪れます。ここに至ってX社が画面のデザインを変更したのです。この影響は少なくなく、例えば当初は3枚の画面で進むステップが1枚の画面の中で完結するようになるなど、全体的に大幅な設計変更が必要になりました。

そこでキューブシステムは、いったん基本設計の作業を中断。当初は2カ月を想定していた設計フェーズをさらに1カ月延長し、その間に開発チームを先行して立ち上げました。システムの開発標準化・モデル作成を行っている標準化チームに開発チームが参画し、開発手法の習得を優先させることで、次工程にしわ寄せが及ばないよう工夫したのです。

国内に劣らない技術力を持つベトナムのスタッフを活用し開発期間を短縮

このプロジェクトのもうひとつのポイントとなったのが、海外のスタッフの活用です。前述のデザイン変更への対応で基本設計フェーズが1カ月伸びたため、テスト期間に余裕を持たせるためにも、開発期間を短縮する必要がありました。そこでベトナムキューブシステムのスタッフに開発支援を要請し、4名の経験豊富なSEが新たにチームへ加わりました。

しかし今回は時間がないため、現地に赴いてスタッフと詳しく話をすり合わせる余裕もありません。そこでキューブシステムでは、汎用的な手法で開発が進められる部分についてはベトナムへ、複雑で高い管理レベルが求められる部分は国内へと、作業を切り分けてそれぞれに割り振ることで、人的リソースを最大限に活用。結果として開発期間の短縮に成功しました。

TOPIC

~ベトナムキューブシステムについて~
2008年3月、ホーチミン市に設立され、以来、数多くのシステム開発を手がけてきました。一般的に、オフショア開発を実施する上で懸念事項となるのが品質の問題ですが、同社の場合、品質についても過去の実績からして国内と遜色ないものを持っています。

国内とのやり取りは日本語に堪能な現地ブリッジSEが対応し、システムの設計書、マニュアルなどもすべて日本語で作成しています。国内のメンバーとはテレビ会議システムを使って定期的に打ち合わせや情報交換を行い、コミュニケーション不足から生じる情報伝達のロスを解消。もちろん場合によってはメンバーが現地へ飛ぶこともあります。さらに、キューブシステムが独自に開発した管理ツールを活用し、開発の進ちょく状況やシステムの品質を包括的に確認できるような体制を整えています。

本番稼働後に発生した障害もごくわずか

サブシステムの開発が終了後、単体テストを実施。その後の結合テストでは他のサブシステムを担当したベンダーとも協力しながら最終的なブラッシュアップを行い、システムの完成に至りました。

今回の開発においては、納期を厳守したことのみならず、その品質の高さも評価されました。キューブシステムが開発を担当したサブシステムにおいて、本番稼働後ほとんど障害は発生していません。これは他のベンダーの担当部分よりはるかに少なく、X社およびシステムインテグレータからは感謝状とお褒めの言葉をいただいています。

現場担当者の声

本案件では短期間で高品質のシステム構築を成し遂げたということで、システムインテグレータから感謝状をいただきました。これはうれしかったですね。また、X社からも高い評価を得た結果、第2次開発(ウェブ学習ツールの追加開発)についてもキューブシステムにお任せいただくことになっています。さらに今回は、第1次開発では他社が担当していた部分を含め、全てのサブシステムの構築を担当することになりました。ありがたいことです。

振り返れば、プロジェクトの間には、さまざまなトラブルに見舞われました。中でも困ったのが、プロジェクト全体を統括するPMが病気にかかり、2週間ほど不在になったことです。ちょうど基本設計から開発フェーズへ移行するところだったのですが、幸い、サブリーダーやパートナーが一体となって不在の穴を埋めてくれました。この件に限らず、プロジェクトを通じ、メンバー全員が常にいま自分が何をすべきかを考え、積極的に動いたことが、厳しいスケジュールで高品質のシステム構築を実現できた理由だと思います。


西日本システム本部
ソリューション・サービス第1部
第1グループ
マネージャ
松田 譲