製造メーカー向け販売管理関連システム構築 中国上海でのオフショア活用による大規模システム開発から日本とベトナムを拠点としたオフショアエンハンスへ

汎用機を用いたシステムからウェブを用いた最新システムへ

X社は国内トップの売上高を誇る製造メーカー。同社は長らく汎用機を用いて生産管理や販売管理を行っておりました。プロジェクトの目的は、このシステムの再構築であり、ビジネスモデルを180度転換することを目的に、汎用機からウェブを用いた最新のシステムへの移行が図られました。具体的な目標とされたのは、開発サイクルの短縮化、商品情報や配送状況など各種データの一元化、情報管理項目の再定義など多岐にわたりました。

キューブシステムは大手システムインテグレータを経由して、2008年の暮れより概要設計の工程から同プロジェクトに参画し、「(受発注等の)販売管理」「生産・調達および業者管理」「工場の生産管理」などの生産部門と、「(商品マスタ等の)共通部分開発」「ミドルウェア開発」「(ベースクラス等の)標準化」などのインフラ開発を担当いたしました。

テクニカル面でのトピックとして、システムにRIA(Rich Internet Application)技術を採用していることが特徴であります。RIA技術は、ユーザインタフェースに単純なHTMLで記述されたページよりも操作性や表現力に優れ、Webアプリケーションのメリットを活かしたものであり、キューブシステムでは、同技術に対し、豊富な実績と経験を保有したシステムエンジニアが開発にあたりました。ユーザーフレンドリーなGUI、インストールやアップデートが不要な簡便性、Flash技術独特の高度な表現力などが、ユーザーに対する大きなアピールポイントになっています。

オフショアの受入実績での強み

当社システムの開発にあたっては、中国へのオフショアが行われることになり、キューブシステムがオフショアで開発したシステムの一部を受け入れることになりました。その際に必要となるのが品質の見極めであり、システムの規模、難易度、複雑性によって、充当する人材のスキルや数は大きく異なってきます。
大規模なオフショアを行うのはキューブシステムでは初めての経験でありましたが、社内の独自の受入基準を定め、一部、コミュニケーションや設計段階における仕様など、多少の問題は発生したものの、受入れを適正な体制にて実行してまいりました。
また、SEが訪中し、コーディングにおけるテクニカル面の指導、現地SEと日本人SEのコミュニケーションの円滑化、表面化した課題の切り分けなどを実施し、プロジェクトを進めてまいりました。

今回のシステム再構築においても、日本人スタッフの訪中は約半年におよび、以降はX社にて連結テスト、総合テストを実施いたしました。そこで表面化した問題のうち、緊急度が低いものは中国へ返し、緊急度が高いものはキューブシステムなど日本のベンダが対応する中、中国にはキューブシステムの社員である中国人SEを置き、現地のプログラマーとの間で意志の疎通を図りました。オフショアでは情報の伝達ロスが生じるので、作業現場の実態把握が不可欠でありました。再構築したシステムは2011年の秋に無事リリースされ、現在はキューブシステムが中心となってエンハンスを行っております。

強味はエンハンスをオフショアできること

今回のプロジェクトでは、オフショアからコンパイルエラーを取り切れていないソフトウェアが納品されるケースもありましたが、その度にキューブシステムのスタッフは、どこに問題があり、どうすれば解決できるかを真剣に討議しました。結果、多くの場合において中国側と日本側で工程定義に対する認識が異なっていることが判明。オフショアを実施するにあたっては、まずこの部分の認識を同一化することの重要性を体験的に学習することができました。

システムの開発工程をオフショアする会社は多いですが、その後のエンハンスをオフショアする会社は極めて少ないのが現状です。そのような中、キューブシステムではエンハンスの一部をベトナムの子会社で行っております。システムの維持・運用において、継続的に改善していかなければならないシステムエンハンスを比較的低コストで実現できる点は、キューブシステムの大きなアドバンテージとなっています。

日本語能力に長けているベトナムのメンバーを日本に招聘し、システムエンハンスに必要な業務スキルやシステム概要をしっかりと習得させ、そのメンバーが現場に帰国し、ブリッジSEとして機能しております。
キューブシステムの総員営業、損益感覚を持ったSEだからこそ、実現可能なビジネスモデルを提供しております。

現場担当者の声

X社様の顧客からは、システムにRIA技術を採用したことによって「ウェブ画面の切り替えが減少し、利便性が高くなった」というお声を頂いています。また、受発注と生産計画のデータが分かれていたことから発生する入力の手間を解消した点も、高く評価されています。

もちろん、システムは現在の形で完成というわけではありません。X社様は今後も大きな改善テーマが出てくるので、しっかりとしたシステムづくりを進めていく予定です。


  • 西日本システム本部
    ソリューション・サービス第1部
    第2グループ
    今井 正

  • 西日本システム本部
    本部長
    米田 敏