金融機関向けSOA基盤構築 インフラ構築サービスの実績とノウハウをもとに、アプリケーション基盤(SOA)となるミドルウェアの導入を支援しております

分散していた業務システムをプライベートクラウド上に統合

X社は日本を代表する金融機関のひとつです。複数の金融機関の経営統合によって設立されたX社は、統合後も各事業部が独自に構築・運用してきたシステムをそのまま引継ぐかたちで、個別に業務を行っていました。そのため、業務システムの分散や既存ベンダへの依存などを招き、業務の非効率化やコストの増加といった問題が発生。そこでX社では、全社共通のプライベートクラウドを構築して各事業部のインフラ基盤を集約化し、分散していた業務システムを統合することで、ITガバナンスの向上、運用業務の効率化、ICTコストの削減などを目指しました。

X社のインフラ基盤統合プロジェクトは、(1)プライベートクラウド環境(仮想インフラ基盤)の構築、(2)業務システムを連携するためのアプリケーション基盤(SOA)の構築、(3)統合認証基盤(SSO基盤)の構築の3つに分かれていました。キューブシステムは3つのうちの(2)SOA基盤の構築プロジェクトに客先提案の段階から参画。受注が確定してからは、SOA導入の要件定義から、設計、基盤構築、テストまですべての工程を担当し、2013年8月に最終納品を終えております。

プロジェクトは、プライベートクラウド上に開発環境、テスト環境、本番環境、災害対策環境の4つを順次構築し、それぞれにSOA基盤を構築していくものでした。キューブシステムからはピーク時で約20名のSEが参画し、プロジェクトの推進にあたっています。

インフラ構築のノウハウをベースに高品質のSOA基盤を構築

本プロジェクトにおけるポイントは、SOA基盤の導入について、キューブシステムがそのすべてを手がけたところにあります。SOAとは、サービス指向アーキテクチャ(Service Oriented Architecture)の略で、アプリケーションやその中の一部機能を「サービス」として部品化し、業務プロセスに応じて組み合わせながら、新たなシステムを構築する設計手法のことです。これにより、システム構築にかかる期間の短縮やコストの削減が実現するほか、稼働後のシステム運用においても、障害時の切り分けなどが明確になり、システムの保守性が向上します。

SOAに基づき構築された共通基盤は「システムハブ」として働き、個々のシステムの独立性を保ちながら、それぞれが共通のシステム(部品)を使って横断的にデータ連携/システム処理を行うことが可能になります。こうしたメリットゆえ、近年ではシステム構築にSOAを採用する企業が増えてはいるものの、柔軟性が高いがゆえに技術的なハードルが高いのも事実です。

キューブシステムにとっても、プライベートクラウド環境にSOA基盤を構築するのは今回が初めてのケースとなりましたが、長年培ってきたインフラ構築のノウハウと高い技術力を持つ要員の投入により、高品質のSOA基盤の構築を成し遂げました。

金融機関の厳しい要求も満たすキューブシステムの技術力

今回のプロジェクトでは、要求仕様の中にビジネスプロセス管理(BPM)を支援するソフトウェアとして「IBM Business Process Manager Advanced(BPMA)」、システム間通信用のミドルウェアとして「IBM WebSphere MQ」を利用することが定められていました。そこでキューブシステムは、提案書の作成段階から、これらのソフトウェアを利用したSOA基盤の構築についての調査を実施。X社の求めるところを詳細にヒアリングしながらシステム設計を行い、金融機関ならではの厳しい要求を満たすSOA基盤をスケジュール厳守で構築しています。

構築におけるトピックとしては、サンプルプログラムを作成し、アプリケーションとの連携をテストしたことが挙げられます。X社のSOA基盤では、既存の業務アプリケーションで利用してきた「外字」も再利用することが求められていたため、外字変換用のプログラムを作成し、正しく表示されることを確認しました。また、WebSphere MQを使ってメッセージの送受信を行うサンプルプログラムを作成し、それをX社の各事業部に提供することで、確実にデータがやり取りできることを確認しています。

もう1つのトピックは、プライベートクラウド環境にSOA基盤を構築したことです。X社からの要求仕様の中にサーバの信頼性確保が求められていたことから、仮想サーバの冗長化対策もキューブシステムが担当しました。構築・テストフェーズに移行してからは、キューブシステムの社内に検証環境を設けて、設定パラメータの妥当性や、ミドルウェアの導入手順をテスト。さらに、BPMAで作成したビジネスプロセスをチェックするため、想定される業務シナリオを30パターンほど作成し、確認を行っています。

インフラ構築から、アプリケーション基盤の導入、業務システムの開発までワンストップで対応

今回のプロジェクトでは、X社の要求仕様によりIBM製のソフトウェアやミドルウェアを利用してSOA基盤を構築することが決められていましたが、独立系のキューブシステムなら、海外・国内を問わず、あらゆるメーカーのソフトウェアを用いてアプリケーション基盤を構築することが可能です。

さらに、長年かけて培ってきた技術とノウハウにより、ベースとなるインフラ基盤はもちろんのこと、今回のようなSOA基盤から上位層の業務アプリケーションまで、一気通貫の体制でカバーできることが強みです。

現場担当者の声

X社からは、今回キューブシステムが構築したSOA基盤について、その品質の高さを評価いただきました。稼働から半年以上経過した時点で、SOAに関する本番障害は一度も発生しておらず、残している 開発もありません。とはいえ、プロジェクトの過程すべてが順調に進んだわけではありません。当社としても初めての部分がありましたし、お客様から要件を聞き出す作業から苦労の連続でした。構築・テストフェーズでは体力的にも厳しい思いをしましたが、徐々にメンバーの団結力も高まり、最後まで走り続けることができました。

X社からは今回の実績が評価され、継続して基盤の運用とトラブルシューティングの業務を委託されております。2次開発、3次開発に向けて提案依頼の声もいただいていますので、今後もSEと一丸となって期待に応えていきます。


ITインフラソリューション本部
プロフェッショナル・サービス第1部
第4グループ
マネージャ
伊藤 充